5Gとは?仕組みからバッテリー対策まで初心者向けに解説

5G通信とは。その仕組みを簡単に解説

スマホの画面に「5G」と表示されているのを見て、「結局、今までと何が違うの?」と思ったことはありませんか。正直、よくわからないまま使っている方も多いのではないでしょうか。

実は、スマホに「5G」と表示されていても、4Gとほぼ同じ速度でしか通信できていないケースがあります。5Gの仕組みを知らないまま高額な5G対応端末を購入して、「速くなった気がしない」と感じてしまうのはもったいない話です。

この記事では、5Gの基本から仕組み、メリット・デメリット、さらに「5Gにしてからバッテリーの減りが早い」という悩みへの具体的な対策までまとめました。読み終わるころには、5Gを自分の言葉で説明でき、スマホの設定を見直すきっかけもつかめるはずです。

目次

5Gとは「第5世代の通信規格」。速度・遅延・接続数が4Gから大幅に進化

5Gの「G」は、Generation(世代)の略です。スマホのデータ容量で使う「GB(ギガバイト)」とは関係ありません。「5th Generation=第5世代の移動通信システム」、これが5Gの正式な意味になります。

日本では2020年3月にNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社が商用サービスを開始し、同年9月30日に楽天モバイルが続きました。NTTドコモ モバイル社会研究所が2025年1月に実施した調査では、15〜79歳の携帯電話所有者における5G利用率が52%に達しています(※)。すでに2人に1人が5Gを使っている計算です。

5Gの性能を支えているのが、次の3つの特徴です。ただし、いずれも理論上の最大値であり、実際のスマホ利用で常にこの数値が出るわけではない点には注意が必要です。

(※)出典:NTTドコモ モバイル社会研究所「5G利用者、携帯電話所有者の過半数に」(2025年7月28日公表)

高速大容量|4K動画も数秒でダウンロードできる通信速度

5Gの下り最大通信速度は20Gbps(理論値)で、4Gの約20倍にあたります。わかりやすい例でいうと、2時間のHD画質の映画を数秒でダウンロードできる計算です(理論値)。

4K・8Kの高精細な動画もスムーズにストリーミング再生でき、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のコンテンツも実用的な品質で楽しめるようになります。

超低遅延|リアルタイム通信が1ミリ秒で実現する

遅延とは、データを送ってから届くまでのタイムラグのことです。4Gでは約10ミリ秒かかっていた遅延が、5Gでは1ミリ秒にまで短縮されます(理論値)。

この低遅延を支える技術のひとつが「エッジコンピューティング」です。従来は遠くのデータセンターまでデータを往復させていたのに対し、基地局の近くにサーバーを設置して通信経路を短くする仕組みで、体感できるレベルで遅延が減ります。

多数同時接続|1km²で100万台のデバイスをつなげる

5Gでは、1km²あたり最大100万台のデバイスを同時に接続できます。4Gの約10倍の接続数です。

イベント会場やフェスなど人が密集するエリアでスマホがつながりにくかった経験、ありますよね。5Gではこうした混雑エリアでも安定した接続が期待できます。さらに、家電やセンサーなど身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる「IoT(モノのインターネット)」社会の基盤としても機能します。

5Gで生活はどう変わる?スマホから社会まで広がる変化

5Gは個人のスマホ体験を向上させるだけでなく、自動運転・遠隔医療・IoTなど社会全体のデジタル化を加速させます。

「自動運転」「遠隔医療」と聞くと、なんだか未来の話に感じるかもしれません。でも、5Gの恩恵はもっと身近なところにもあります。

スマホで実感できる5Gの恩恵

まず、日常のスマホ利用で感じられる変化としては、高画質動画のストリーミングが途切れにくくなること、アプリのダウンロード時間が短縮されることが挙げられます。スポーツ観戦やライブ配信を外出先で楽しむ場面でも、5Gの高速通信は力を発揮します。

また、混雑した駅やイベント会場でもネットにつながりやすくなるのは、多数同時接続の恩恵です。

ただし、ひとつ知っておきたいのが「5G」と表示されていても体感速度が4Gとあまり変わらないケースがあること。これは後述する「NR化」という仕組みが関係しています。「5Gなのに速くない」と感じている方は、仕組みのセクションもぜひ読んでみてください。

自動運転・遠隔医療・IoTへの応用

社会レベルでは、5Gの低遅延と大容量通信が新しい技術の土台になっています。

自動運転では、車両が周囲の交通状況や信号のデータをリアルタイムで受信し、瞬時に判断する必要があります。5Gの1ミリ秒の低遅延があってこそ、安全な制御が可能です。

遠隔医療では、4K相当の高精細映像をリアルタイムで送ることで、離れた場所にいる医師が患者の顔色や傷の状態まで正確に把握できます。地方の医師不足という社会課題の解決にもつながると期待されています。

IoTの分野では、家電やセンサーを大量にネットワークに接続し、スマホから家中の機器を操作する「スマートホーム」の実現が進んでいます。

5Gの仕組みはミリ波・Sub6・NR化の3種類を知れば実態がわかる

5Gには速度が異なる3つの種類があり、現在普及しているのは4G帯域を転用した「NR化」が中心です。ミリ波は超高速ですがエリアは限定的です。

「5G」と聞くと1種類しかないように思えますが、実は使っている周波数帯によって3つのタイプにわかれます。この違いを知ると、「5Gなのに速くない」の謎が解けます。

ミリ波(28GHz帯)。超高速だがエリアは限定的

ミリ波は、5Gの中でもっとも高速な通信を実現する周波数帯です。理論上、下り最大20Gbpsを実現でき、「5Gの本来の性能」はこのミリ波の性能を指しています。

ただし、ミリ波は電波の到達距離が100〜200m程度と短く、建物の壁やガラスなどの障害物にも弱いのが弱点です。現状では、スタジアムや大型商業施設などスポット的に提供されているにとどまります。

Sub6(3.7GHz/4.5GHz帯)。速度と広さのバランス型

Sub6(サブシックス)は、6GHz未満の周波数帯を使う方式です。ミリ波ほどの超高速ではないものの、4Gと比べれば十分に高速で、電波の到達距離も長いため、広いエリアで安定した通信ができます。

5Gの恩恵を「ふだん使い」で実感するなら、Sub6エリアでの利用がもっとも現実的な選択肢です。今後、SA方式(5G専用コアネットワーク)の普及にともない、Sub6エリアはさらに拡大する見込みです。

NR化(4G転用)。エリアは広いが速度は4G並み

NR化とは、既存の4G周波数帯に5Gの規格(NR:New Radio)を適用した方式です。4Gの設備をそのまま活用できるため、短期間でカバーエリアを広げられるメリットがあります。

総務省の公表によると、2024年度末時点で全国の5G人口カバー率は98.4%に達しました(※)。しかし、この高いカバー率の大部分を占めているのが、このNR化エリアです。

つまり、スマホの画面に「5G」と表示されていても、実際の通信速度は4Gとほぼ同じ、というケースが少なくありません。ネット上では「なんちゃって5G」と呼ばれることもあります。

「5Gにしたのに速くならない」と感じている方は、自分がいるエリアがミリ波やSub6なのか、NR化なのかを確認してみてください。各キャリアの公式サイトで、エリアマップが公開されています。

また、自宅でスマホの電波そのものが弱いと感じる場合は、5Gの種類とは別の原因も考えられます。「スマホの電波が家で悪い原因は4つ。自分だけの場合の見分け方」もご覧ください。

(※)出典:総務省「5Gの整備状況(令和6年度末)の公表」

5Gのメリット・デメリット

5Gの高速通信は大きなメリットですが、バッテリー消耗の加速やエリアの限定性などデメリットもあります。設定変更で対策可能です。

5Gのメリットはここまで紹介した通りですが、デメリットも正直に押さえておくべきでしょう。

5Gの3つのメリット

1つ目は通信速度の飛躍的な向上です。Sub6やミリ波エリアでは、動画のダウンロードやクラウドサービスの利用が快適になります。

2つ目は低遅延によるリアルタイム通信の実現です。オンラインゲームやビデオ通話での「タイムラグ」が減り、ストレスの少ない通信体験が得られます。

3つ目は多数同時接続です。IoT時代のインフラとして、スマートホームやウェアラブルデバイスの普及を下支えしています。

5Gの3つのデメリット

1つ目は、5G本来の高速エリア(Sub6・ミリ波)がまだ限定的なこと。前述の通り、NR化エリアでは4G並みの速度にとどまります。

2つ目は、5Gを利用するには5G対応の端末が必要なこと。非対応の端末では5G通信そのものが使えないため、買い替えコストが発生します。

3つ目が、バッテリー消耗の加速です。「5Gにしてから電池の減りが早くなった」と感じている方は少なくないでしょう。

5Gでバッテリーが減りやすい原因

「5Gにしたらバッテリーの減りが早くなった気がする」。これ、気のせいではありません。5Gは構造的に4Gよりも電力を消費しやすい仕組みになっています。

原因は主に3つあります。

1つ目は、5G端末に内蔵されるアンテナ数の増加です。5G端末は複数のアンテナを内蔵しており、4Gよりも多くの電力を消費します。

2つ目は、現在主流のNSA(ノンスタンドアローン)方式では、4Gと5Gの両方の電波を同時に処理するため、端末への負荷が大きくなることです。

3つ目は、5Gの電波が不安定なエリアにいると、端末が頻繁に5G電波を探し続けるため、余計なバッテリーを消費する点です(※1)。

(※)出典:SHARP公式FAQ「電池の消耗が早い」

今すぐできる3つの対策

では、どう対策すればいいのか。今すぐできる方法を3つ紹介します。

対策1 iPhoneの通信の設定変更

iPhoneなら「5Gオート」を設定する。「設定」>「モバイル通信」>「通信のオプション」>「音声通信とデータ」で「5Gオート」を選択します。

5Gの速度が必要ない場面では自動的にLTEに切り替わり、バッテリーを節約できます(※2)。

(※)出典:Apple公式サポート「iPhoneやiPadのバッテリーの減りが早い場合」

対策2 Androidの通信の設定変更

Androidなら「接続の自動調整」を有効にする。機種によって設定場所は異なりますが、Pixelの場合は「設定」>「ネットワークとインターネット」>「接続の自動調整」で設定できます。

対策3 Wi-Fiを優先的に使う

Wi-Fi環境ではWi-Fiを優先して使う。Wi-Fiはモバイル通信よりも消費電力が少ないため、自宅やオフィスではWi-Fiに接続するだけでバッテリーの持ちが改善します。

5Gに関するよくある質問

5Gの健康影響、格安SIMでの利用、6Gの時期など、よくある疑問にまとめて回答します。

5Gの電波は体に悪い?健康への影響は?

結論から言うと、現時点では国際的な基準を守っている限り、5Gの電波が健康に悪影響を及ぼすという科学的根拠は確認されていません。

WHO(世界保健機関)は2020年2月、「健康への悪影響はワイヤレス技術へのばく露と因果関係として結び付けられていない」との見解をウェブサイトに掲載しています(※1)。

また、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)も2020年3月に国際ガイドラインを改訂し、「この新ガイドラインを順守している限り、5G技術が害を生じることはあり得ない」と明言しました(※2)。日本の電波防護指針はこのICNIRPガイドラインに準拠しています。

ただし、WHOは「5Gに用いられる周波数で実施された研究は少数」とも述べており、長期的な影響に関する研究は現在も継続中です。過度に心配する必要はないものの、今後の研究動向には注目しておいて損はないでしょう。

(※1)出典:一般社団法人電波産業会 電磁環境委員会「5G電波の安全性に関する国際機関の見解は?」
(※2)出典:NTTドコモ「電波の安全性に関するドコモや主要機関の見解」

格安SIMでも5Gは使える?

使えます。現在、LINEMO、ahamo、楽天モバイル、UQモバイル、ワイモバイルなど主要な格安SIM・サブブランドは5G通信に対応済みです。LINEMOのように5G利用に追加料金がかからないサービスもあります。

ただし、5G通信を利用するには5G対応スマホ端末が必要です。現在使っている端末が5Gに対応しているかどうかは、キャリアの動作確認端末一覧で確認しましょう。

6Gはいつ始まる?5Gは古くなる?

6G(第6世代移動通信システム)の商用化は、2030年前後が目標です。NICTは2026年5月にBeyond 5G(6G)基金事業の新規委託研究採択結果を公表しており、研究開発は着実に進んでいます(※1)。

6Gの目標性能は、通信速度100Gbps超(5Gの5倍以上)、遅延1ミリ秒未満、同時接続1km²あたり1,000万台と、5Gをさらに大きく上回る数値が掲げられています(※2)。

とはいえ、移動通信システムの世代交代は約10年周期で行われてきました。5Gは当面の間、主流の通信規格として使われ続けます。「5Gは古くなるから待ったほうがいい」と考える必要はありません。

(※1)出典:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業 令和8年度新規委託研究の公募の結果」(2026年5月7日)
(※2)出典:NTTドコモ「5Gの高度化と6G」ホワイトペーパー4.0版(2021年11月)

5GとWi-Fiは何が違う?

5Gはモバイル通信(携帯電話の基地局を経由する広域通信)、Wi-Fiは無線LAN(ルーターを経由する近距離通信)です。似ているようで、仕組みは全く異なります。

また、Wi-Fiの設定画面に表示される「5GHz」は周波数帯の名称であり、5G通信の「5G(5th Generation)」とは別物です。紛らわしいですが、混同しないように気をつけてください。

5Gがあれば自宅のWi-Fiは不要かというと、現時点ではWi-Fiも併用するのがおすすめです。Wi-Fiのほうが消費電力が少なく、バッテリーの持ちが良くなるためです。

まとめ

この記事では、5Gの基本から仕組み、メリット・デメリット、バッテリー対策までを解説しました。

5Gは「第5世代移動通信システム」の略で、高速大容量、超低遅延、多数同時接続の3つが大きな特徴です。ただし、「5G」と表示されていても4G並みの速度しか出ないNR化エリアが大部分を占めている点は知っておきたいポイントです。

そして、5Gにしてバッテリーの減りが早くなった場合は、iPhone「5Gオート」やAndroid「接続の自動調整」の設定で改善できます。

5Gの仕組みを理解すれば、スマホの買い替えやプラン選びの判断がしやすくなります。まずは自分のスマホの5G設定を確認し、バッテリー対策から試してみてください。

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