eSIMとは?SIMカードとの違い、メリット・デメリットとeSIM対応スマホも紹介
スマホの進化とともに、ある新技術が静かに注目を集めています。
その名も「eSIM(イーシム)」。
名前を聞くと何やら難しそうなイメージがあるかもしれませんが、私たちの生活をさらに便利にする進歩の一つです。
なぜなら、従来の物理的なSIMカードを挿入することなく、スマートフォンやタブレットで通信サービスを利用できるようになるからです。
この記事では、このeSIMについて、その基本的な仕組みから具体的な利用シーンに至るまで、わかりやすく解説します。
eSIMとは?
まず、SIM(シム)とは、Subscriber Identity Module の略で、契約者の情報が書き込まれたチップで、通常は「SIMカード」とよばれます。SIMカードをスマホ端末に差し込むことで、電話番号で通話したり、インターネットを利用できます。
そして、eSIMとは、「Embedded SIM (エンベデッド シム)」の略称で、スマホ端末に内蔵されたSIMという意味になります。
SIMカードのような物理的なカードではなく、ネットワーク、インターネット経由で内容を自由に書き換えることができます。
実際には、契約した電話会社から、プロファイル(通信情報を一つにまとめたデータ)をダウンロードすることで設定ができます。
次に、今までのSIMカードとの違いを解説します。
eSIMとSIMカードの違い
eSIMとSIMカードは、簡単に説明すると、物理的なSIMカードと物理的なカードが存在しないeSIMです。
今までは、SIMカードをスマホ本体にセットして、通信を開始することが一般的でした。
SIMカードには、SIMカードの固有の番号、電話番号、回線契約の情報が登録されています。
一方で、eSIMは、物理的なカードがありませんので、eSIM対応のスマホ本体にて、インターネット経由で指定されたデータの読み込みや、契約に基づいた情報を設定するだけで利用開始できます。
従来のような、SIMカードをスマホ本体に差し込む作業が不要です。
総務省も利用を促進する「eSIM」
eSIMは、単に通信業界の技術の発展だけでなく、日本の政府・総務省も後押ししています。
その理由は、携帯電話利用者が容易に携帯電話会社を乗り換えられるようになり、さらに、携帯電話会社の競争が促され、国民全体の利益につながるからです。
そして、総務省が令和3年8月10日に策定した「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」では、ドコモ、au、ソフトバンクに対して、eSIMの速やかな導入を促しています。そのため、今後、eSIMは広く普及することが予想されます。
eSIMの利用で1台のスマホで電話回線を2つ同時に利用できる
eSIMの利用で、従来よりもさらに、デュアルSIMが利用しやすくなります。
デュアルSIMの「デュアル」とは二重という意味です。
デュアルSIMを利用すれば、2つの回線のうち、1つ目はA社の回線、2つ目は別で契約したB回線を1つのスマホ端末で利用できます。
例えば、個人の電話番号と仕事用の電話番号を2つ契約して、それを1台のスマホで利用・着信可能になります。
つまり、従来のように2つの電話番号を用意しても、2台のスマホを持ち運ぶ必要がありません。
詳しい解説は下記の「デュアルSIMとは」の記事をご覧ください。
eSIMのメリット
ユーザーからすると、eSIMは大きなメリットがあります。
オンラインで設定が可能
eSIMのメリットは、従来のSIMカードの郵送が不要になり、当日、Web上で契約が完結できます。
契約や変更の際に、お店に行ったり、カードが届くのを待ったりする必要がないのです。
インターネットに接続できる環境さえあれば、SIMカード発行手数料(おおよそ400円ほど)やSIMカードを郵送する送料などの料金も不要で、通信が開始できます。
海外旅行の際に現地通信会社のeSIMが使える
また、海外旅行や出張の多い方にとっては、現地に出向く必要もなく、言葉の壁もなく、事前にオンライン上の手続きだけで、利用できます。
海外で英語などの外国語による会話が不安な方にもおすすめです。
物理的なSIMカードを使った契約と比較すると、eSIMは自宅に居ながら最短1時間で申し込みから開通まで完了します。
紛失や破損の心配がない
さらに、デジタルなので、物理的なSIMカードと違い、紛失や破損の心配もありません。
eSIMのデメリット
デメリットは、最初に通信接続の設定が必要になります。
eSIMの設定に慣れる必要がある
スマホの操作に慣れていない人だと、やや敷居が高いように感じるかもしれません。しかしながら、スマホ端末の設定ができる人であれば、特に問題なく、設定できるはずです。
まったくの初心者の方だと、戸惑う可能性がありますが、実際には、契約した携帯電話会社の案内に従って進めれば、問題なく設定できるでしょう。
eSIM対応のスマホ端末が必要
また、eSIMが設定できるスマホ端末は現在、一部に限られています。使う予定のスマホ端末がeSIM対応であるかを確認しましょう。
そのほか、スマホ端末の修理、スマホ端末の機種変更する場合には、eSIMの再発行が必要になります。
eSIM対応の携帯電話・格安SIM会社を選ぶ必要がある
eSIMを使うためには、携帯電話や格安SIMがeSIMのサービスを提供している必要があります。
今までよりもeSIMのサービスを提供する会社は増えていますが、すべての会社ではありません。
あわせて「eSIMを提供しているおすすめの会社」もご覧ください。
eSIMをおすすめしたい人
eSIMの利用をおすすめしたい人を紹介します。
即日で携帯電話会社の乗り換えの手続きを完了させたい人
eSIMは、対応のスマホがあれば、各携帯電話会社、格安SIM会社の公式サイトで即日に契約して、すぐに利用できます。
スマホの操作に慣れている人であれば、30分ほどで完了できるでしょう。
急いで携帯電話を乗り換えをしたい人にeSIMの利用をおすすめします。
電話番号2回線を1台のスマホで使いたい人
eSIMなら、1台のスマホ端末で2つの電話番号を利用できます。
例えば、、仕事とプライベートの電話番号を分けることも可能です。
海外旅行・出張が多く現地でそのまま携帯電話を使いたい人
従来であれば、海外でスマホを利用する場合には、現地のSIMカードを購入したり、日本国内でWi-Fiモバイルをレンタルする必要がありました。
しかし、eSIM対応のスマホがあれば、現地の携帯電話会社とプリペイド式や旅行者向けのプランをウェブサイトで契約できます。
その際の支払い方法はクレジットカードが一般的です。
eSIMを使うためには何が必要になる?
eSIMを使うためには、eSIM対応のスマホ、eSIMに対応している格安SIMと契約、Wi-Fi環境です。
eSIM対応のスマホ端末
eSIM対応のスマホは以下の通りです。(2023年10月現在)
2018年9月に発売されたiPhone以降や、2021年以降に発売されたAndroidのハイエンドのスマートフォンの多くはeSIMに対応していると言えるでしょう。
eSIM対応のiPhone
iPhone 15 Pro Max / Pro / Plus
iPhone 15
iPhone 14 Pro Max / Pro / Plus
iPhone 14
iPhone 13 Pro Max / Pro / mini
iPhone 13
iPhone 12 Pro Max / Pro / mini
iPhone 12
iPhone SE(第2世代)(第3世代)
iPhone SE
iPhone 11 Pro Max / Pro
iPhone 11
iPhone XS Max / XS
iPhone XR
eSIM対応のAndroid
Google Pixel 7 / 7a / 7 Pro
Google Pixel 6 / 6 Pro
Google Pixel 5 / 5a (5G)
Google Pixel 4 / 4a / 4a (5G) / 4 XL
OPPO A73
OPPO A77
OPPO Reno9 A
OPPO Reno7 A
OPPO Reno5 A
OPPO Find X3 Pro
OPPO A55s 5G
AQUOS R7
AQUOS wish
AQUOS zero 6
AQUOS sense7
AQUOS sense6 (SH-54Bは対象外)
AQUOS sense4 lite
Rakuten BIG s
Rakuten BIG
Rakuten Mini
Rakuten Hand
Rakuten Hand 5G
Xperia 1 IV(フォー)
Xperia 1 IV(フォー)
Xperia 5 IV(フォー)
Xperia 10 IV(フォー)
Xperia 10 III Lite
Galaxy A23 5G
Galaxy Z Flip4
ZTE Libero 5G II
MOTOROLA razr 5G
HUAWEI P40 Pro 5G
今までのスマホ端末を他社で乗り換えて使うときの注意点
ここからは、eSIMを利用する時に気を付けたいことを解説します。
SIMロックされていたら解除が必要
eSIMを利用するためには、まずはeSIM対応のスマホ端末であることが必須条件です。
さらに、乗り換えの際、もう一つ確認すべき点は「SIMロックされていない」ことです。もしも、SIMロックされている場合には、解除する必要があります。
SIMロックは携帯電話会社が自社で販売したスマホ端末が他の携帯電話会社で使用されることを防止するために行われてきました。つまり、自社の携帯電話サービスを利用してもらう代わりに、スマホ端末を値引きして販売していたというわけです。
そのため、SIMロックがされている場合には、その携帯電話会社でしか利用できませんので、他社へ乗り換える際は、SIMロック解除が必須になります。
なお、2021年10月1日以降に発売されたスマホ端末は、SIMロックが原則禁止されています。
まとめると以下の通りです。
SIMロックなし→問題なく乗り換えできる
SIMロックあり→SIMロックを解除する必要がある
SIMロックの状態の確認方法
まず、スマホ端末のSIMロックの有無を確認しましょう。
iPhone
設定>一般>情報>下にスクロールすると「SIMロック」の項目があります。SIMロックされていない場合には、「SIMロックなし」と記載されています。
Android
ほとんどの場合、物理的に他の携帯電話会社のSIMカードを入れて試す必要があります。
ほんの一部の機種では、設置>デバイス情報>SIMステータスで確認できます。
SIMロックを解除する方法
まず、SIMロック解除には条件があり、各社によって異なりますが、主な内容は以下です。
・スマホ端末がその携帯電話会社で購入して100日以上経過していること
・スマホ端末への支払い(一括払い、分割払い)が完了していること
・月額料金の未払いがないこと
そして、会員ページ、マイページ等でオンライン上でSIMロック解除ができます。
ドコモの場合
マイドコモにログイン
↓
メニューの「サービス一覧」を選択
↓
「SIMロック解除」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
公式サイトの手順もあわせてご覧ください。
NTTドコモ SIMロック解除
auの場合
My auにログイン
↓
メニューの「契約内容手続き」を選択
↓
「SIMロック解除のお手続きはこちら」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
ソフトバンクの場合
マイソフトバンクにログイン
↓
メニューの「契約・オプション管理」を選択
↓
必要項目を入力
↓
手続き完了
公式サイトの手順もあわせてご覧ください。
eSIM対応のおすすめ格安SIM
ここからは、eSIM対応の格安SIM会社を紹介します。
LINEの無料通話をよくする人は「LINEMO」がおすすめ
名称 | LINEMO(ラインモ) |
料金プラン(税込) | ・ベストプラン ~3GB:990円 ~10GB:2,090円 ・ベストプランV ~30GB:2,970円 (※1) |
余ったデータの翌月くりこし | なし |
契約事務契約手数料 | 0円 |
SIMカード発行手数料 | 0円 |
解約手数料 | 0円 |
最低利用期間 | 無し |
MNP転出手数料 | 0円 |
利用通信回線 | ソフトバンク回線 |
(※1) 2024年11月から20GB→30GBに増量しました。
・詳細はLINEMOの公式サイト(https://www.linemo.jp/)でご確認ください。
\期間限定キャンペーン開催中/
事務手数料0円!2年縛りも解約手数料もなし!
LINEMOは、ソフトバンクが提供する格安SIMで、月額990円から利用が可能です。LINEギガフリーに対応しており、LINEトークや通話、ビデオ通話に利用する場合にはデータ通信量を消費しないため、とてもお得に利用できます。
LINEMOの料金プランには、ベストプラン (3GBまで990円、10GBまで2,090円)、ベストプランV (20GBまで2,970円、30GBまで3,960円)の2つがあります。
どちらのプランも、初期費用やSIMカード発行手数料、解約手数料は一切かかりません。
LINEMOのサービス内容としては、LINEギガフリーに対応しているので、LINEトークや通話、ビデオ通話をたくさん利用する人にはとてもお得です。
ただし、スマホ端末のセット購入はありません。必要なら、別途ご自身でスマホ端末を用意する必要があります。セット販売をご希望の方は、ワイモバイル、UQモバイルがおすすめです。
また、最低利用期間がなく、自由に解約できます。 MNP転入手数料が無料で、他社から乗り換えても費用をかけずにLINEMOを利用できます。
現在、LINEMOでは以下のキャンペーンを実施中。基本料金が最大6カ月 実質無料キャンペーン、PayPayポイントあげちゃうキャンペーンでは、他社から乗り換えた場合には最大10,000円分、新規契約の場合には最大3,000円分のPayPayポイントをプレゼントするキャンペーンが実施中です。どのキャンペーンも終了する前に申しこみを検討してください。
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事務手数料0円!2年縛りも解約手数料もなし!
ワイモバイル
名称 | ワイモバイル |
料金プラン(税込) | ・シンプル2S 【4GB】 : 1,078円(割引適用時) 内訳(基本料金2,365円ーおうち割1,100円ーPayPayカード割187円) ・シンプル2M 【20GB】 : 2,178円(割引適用時) 内訳(基本料金4,015円ーおうち割1,650円ーPayPayカード割187円) ・シンプル2L 【30GB】 : 3,278円(割引適用時) 内訳(基本料金5,115円ーおうち割1,650円ーPayPayカード割187円) |
おうち割の適用条件 | ・ソフトバンク光、または、ソフトバンクAirを利用すること |
家族割引サービス ・おうち割と併用は不可 | ・2回線目以降が割引 ・2回線目以降一人あたり毎月1,100円割引 ・家族はもちろん、遠方の親戚、同居の恋人も対象 |
PayPayカード割 | ・PayPayカード支払いで 各料金から187円割引 |
余ったデータの翌月繰り越し | あり |
初期費用(事務手数料) | 0円(※3) |
SIMカード発行手数料 | 0円 |
解約手数料 | 0円 |
最低利用期間 | 無し |
MNP転出手数料 | 0円 |
利用通信回線 | ソフトバンク回線 |
(※)オンラインストアで手続きをする場合は事務手数料が0円。店舗での契約は3,850円(税込)かかります。
・詳細はワイモバイルの公式サイト(https://www.ymobile.jp/store/)でご確認ください。
・ワイモバイル ヤフー店公式サイト(https://ymobile-store.yahoo.co.jp/)も併せてご確認ください。
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ワイモバイルは、全国に実店舗を構えているため、サポートが充実していると言えるでしょう。
また、LYPプレミアム(旧Yahoo!プレミアム)が無料で利用できます。
また、余ったデータは、自動繰り越しとなりますので、無駄なく使えます。
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契約期間の縛り無し!解約手数料もゼロ!
UQモバイル
名称 | UQモバイル |
料金プラン(税込) | ・ミニミニプラン 4GB:2,365円 (割引適用で1,078円) ・トクトクプラン 1~15GB:3,465円 (割引適用で990円~2,178円) ・コミコミプラン+ 33GB:3,278円 |
余ったデータの翌月くりこし | あり |
初期費用(事務手数料) | 3,850円(税込) |
SIMカード発行手数料 | 0円 |
解約違約金 | 0円 |
最低利用期間 | 無し |
MNP転出手数料 | 0円 |
利用通信回線 | au回線 |
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UQモバイルのミニミニプランでは、データ通信容量の消費を抑える「節約モード」があります。通信速度が遅くなりますが、データ通信容量の消費されなくなります。
SNSやページを閲覧することは十分に可能です。
また、余ったデータ通信容量は自動的に翌月に繰り越しされます。
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まとめ
eSIMは、従来の物理的なSIMカードとは違い、対応機種に内蔵されていますので、抜き差しする必要がありません。契約した携帯電話のデータを設定するだけで、利用開始できます。
これによって、携帯電話の乗り換えは、今まで最低でも2日ほどかかっていたことが、早ければ30分ほどでWeb上で完了します。
総務省のeSIMの利用を各携帯電話会社に促しているため、今後ますます普及することが予想されます。
注意点は、利用しているSIMがeSIM対応であるかということです。また、携帯電話会社で購入したスマホの場合は、SIMロックされていないかの確認をしましょう。