スマホの電波が家で悪い原因は4つ。自分だけの場合の見分け方

家族のスマホは普通に使えているのに、自分のスマホだけ電波が入らない。外では問題なくつながるのに、家に帰るとアンテナが1本になったり圏外になったりする。これ、地味にストレスですよね。

原因がわからないまま「格安SIMに変えたせいかも」と焦ってキャリアを乗り換えたり、Amazonで「電波増幅器」を購入したりすると、お金が無駄になるだけでなく、法律違反になるケースもあります。

この記事では、家でスマホの電波が悪くなる原因を4つのパターンに分け、自分だけ電波が悪い場合の見分け方と対処法を順番に整理しました。

読み終わる頃には、自分のケースがどのパターンに該当するかを判断でき、何から試せばいいかがわかる状態になっているはずです。

目次

家でスマホの電波が悪い4つの原因

家でスマホの電波が悪い4つの原因のイラスト図解

家でスマホの電波が悪い原因は、建物環境、Wi-Fi、端末、速度制限の4つに分かれます。自分だけ悪い場合は端末側の問題が疑われます。

「電波が悪い」と一口に言っても、実は原因が全く異なる4つのパターンがあります。対処法もパターンごとに違うため、まず自分のケースがどれに当てはまるかを特定するところから始めましょう。

原因を切り分けるには、2つの質問に答えるだけで十分です。

1つ目の質問は「自分だけか、家族全員か」。2つ目は「モバイル回線の問題か、Wi-Fiの問題か」。この2つの答えで、4パターンのうちどれかが絞り込めます。

自分だけか家族全員かで原因が変わる

最初に確認してほしいのは、電波が悪いのが自分のスマホだけなのか、家族全員のスマホで同じ症状が出ているのかです。

自分だけの場合は、端末の不具合、SIMカードの接触不良、OSの未更新、あるいは自分が契約しているキャリアの基地局が自宅付近にないといった原因が考えられます。

家族全員が同じように電波が悪い場合は、建物の構造や立地、Wi-Fiルーターのトラブル、キャリア側の通信障害など、環境要因の可能性が高くなります。

もう1つのチェックポイントとして、家族が自分と同じキャリアを使っているかどうかも確認してください。同じキャリアの家族も繋がりにくいなら、そのキャリアの電波が自宅に届いていない可能性があります。別キャリアの家族は問題ないのに自分だけ悪いなら、キャリアの基地局の位置が影響しているかもしれません。

モバイル回線の問題かWi-Fiの問題かを切り分ける方法

次に確認するのは、悪いのがモバイル回線(4G/5G)なのか、Wi-Fi接続なのかという点です。

切り分け方はシンプルで、Wi-Fiをオフにしてモバイル回線だけで通信してみてください。これで遅い・繋がらない場合は、モバイル回線側に原因があります。建物の構造や基地局との位置関係が影響している可能性が高いでしょう。

逆に、モバイル回線をオフにしてWi-Fiだけで通信してみて遅い場合は、Wi-Fiルーターの設置場所や性能、電波干渉が原因です。

両方とも悪い場合は、端末そのものの故障か、建物構造が根本原因になっているケースが多くなります。

よくあるのが、自宅のWi-Fiに自動接続されていて、そのWi-Fiの電波が弱いせいで「スマホの電波が悪い」と感じているパターンです。Wi-Fiをオフにした途端にサクサク繋がるなら、問題はWi-Fi側にあります。

建物構造が電波を遮るメカニズム

建物構造が電波を遮るメカニズムを解説した図解イラスト

モバイル回線の電波は窓から室内に入ります。鉄筋コンクリート造の建物では、壁の中の鉄筋が電波を反射・吸収するため、木造住宅に比べて電波が届きにくい構造です。

マンションの高層階では、基地局のアンテナが地上に向けて電波を発信しているため、最寄りの基地局からの電波が届きにくいことがあります。スマホ側の送信電波も基地局まで届かず、相手の声は聞こえるのに自分の声が届かない、という状態が起きるケースもあります(※)。

意外と知られていないのが、省エネ性能の高い住宅ほど電波が入りにくいという構造的な問題です。

Low-Eガラス(低放射ガラス)は断熱・遮熱のために金属膜がコーティングされており、この金属膜が携帯電話の電波を遮断します。ガルバリウム鋼板の外壁も金属製のため電波を反射しやすく、アルミ箔付きの断熱材も電波を通しにくい素材です。こうした省エネ建材は、電波の観点では遮蔽物として働きます。

2025年4月には改正建築物省エネ法が施行され、原則として全ての新築住宅に省エネ基準への適合が義務化されました。高断熱窓や高気密構造の普及が加速しているため、「新築なのに電波が入らない」というケースは今後さらに増える可能性があります。

新築やリフォーム直後に電波が悪くなった場合は、窓ガラスや外壁材、断熱材が電波を遮っていないか確認してみてください。前の住居では問題なかったのに新居で電波が悪いなら、建物の省エネ性能が原因になっている場合があります。

(※)出典:KDDIトビラ(旧TIME&SPACE)「タワマンやエコガラスは電波が届きにくい?自宅でスマホがつながりにくい理由と解決策を解説」

今すぐ試せる対処法を優先順に解説

まずスマホの再起動と機内モードの切り替えを試し、改善しなければSIMカードの抜き差しとOS更新を確認してください。

原因の切り分けができたら、お金がかからず手軽に試せる方法から順番に実行していきましょう。どの段階で改善するかによって、根本原因の手がかりが見えてきます。

再起動とSIMカードの抜き差し

最初に試すべきは、スマホの再起動です。長時間使い続けているとバックグラウンドのアプリやキャッシュがメモリを圧迫し、通信処理が不安定になることがあります。再起動するだけでリセットされ、電波状況が改善するケースは少なくありません。

再起動で改善しない場合は、機内モードをオンにして10秒ほど待ち、再びオフにしてみてください。これによってスマホが新しい電波を探し直します。

それでも改善しなければ、SIMカードの抜き差しを試しましょう。SIMカードは端子部分の汚れや接触不良で通信が不安定になることがあります。3年以上同じSIMカードを使い続けている場合は、経年劣化も考えられるため、キャリアやMVNOのショップで交換を相談してみてください。

eSIMを利用している場合はカードの抜き差しができないため、プロファイルの削除と再インストールを試みます。手順はキャリアごとに異なるため、契約先の公式サイトで確認してください。

窓際への移動とWi-Fi周波数帯の変更

モバイル回線の電波が弱い場合、窓際に移動するだけで改善することがあります。電波は主に窓から室内に入るため、窓際でアンテナが増えるなら建物構造が原因と判断できます。

Wi-Fiが不安定な場合は、接続する周波数帯を変更してみてください。多くのWi-Fiルーターは2.4GHz帯と5GHz帯の2種類の電波を出しています。

5GHz帯は通信速度に優れますが、壁や床などの障害物に弱く、ルーターから離れた部屋では繋がりにくくなります。2.4GHz帯に切り替えると、速度は落ちるものの障害物を越えやすくなり、家全体に電波が届きやすくなります。

なお、電子レンジを使っている最中にWi-Fiが途切れる場合は、電波干渉が原因です。電子レンジは2.4GHz帯の電波を発するため、Wi-Fiと干渉しやすい家電の代表格です。この症状が出るなら、5GHz帯に切り替えると改善します。

通信障害と速度制限の確認方法

対処法を試す前に、キャリア側で通信障害が起きていないかも確認しておきましょう。各キャリアの公式サイトや公式SNSアカウントで障害情報が公開されています。X(旧Twitter)で「キャリア名+通信障害」と検索してみるのも有効です。

もう1つ見落としやすいのが、通信速度制限です。月間のデータ使用量が上限に達すると、電波自体は届いていても通信速度が極端に遅くなります。アンテナの本数は変わらないのにページが読み込めない場合は、速度制限の可能性があります。

キャリアのマイページアプリやWebサイトで、今月のデータ残量を確認してみてください。速度制限がかかっているなら、データ追加購入やWi-Fi環境での利用で対処できます。

それでも改善しない場合の根本的な解決策

大手キャリア(MNO)契約者はキャリアに電波改善を相談すると、レピーター等の装置を無料でレンタルできます。格安SIMユーザーは対象外です。

ここまでの対処法を試しても改善しない場合は、環境そのものに原因がある可能性が高くなります。根本的な解決には、キャリアへの相談や通信環境の見直しが必要です。

キャリアの電波改善窓口への相談手順

ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアには、それぞれ電波改善の専用窓口があります。

ドコモは「電波のお困りごと窓口」からメールまたは電話で相談でき、状況に応じてドコモレピータを無料でレンタルしてもらえます。レピータのレンタル料・配送料はドコモ負担で、利用中の電気代はユーザー負担です(※1)。

auは「電波サポート24」で電波改善を受け付けています。電波改善機器の配送(無料・自己設置)と、アドバイザーによる訪問調査(有料)の2つの方法があります(※2)。ソフトバンクも屋内電波改善サービスの専用ページから相談が可能です。

相談すると、状況に応じて「レピーター」や「フェムトセル」と呼ばれる電波改善装置を案内してもらえます。

レピーターは、窓際に設置して屋外の電波を受信・増幅し、室内に中継する装置です。機器本体の費用は無料で、配送による自己設置が基本となります。フェムトセルは、自宅のインターネット回線に接続して使う超小型の基地局で、自宅内に携帯電話エリアを作り出します。

なお、auフェムトセルの場合はauひかり等のKDDI指定インターネット回線への加入が必要で、その回線費用と機器の電気代はユーザー負担になります(※3)。

(※1)出典:NTTドコモ「電波の改善等について相談したい」
(※2)出典:au「電波の改善を要望したい(電波サポート24)」

(※3)出典:au「auフェムトセル(VoLTE)」

格安SIMユーザーが取れる3つの選択肢

ここで知っておいてほしいのが、格安SIM(MVNO)を利用している場合、キャリアのレピーターやフェムトセルは借りられないという点です。

MVNOはドコモやau、ソフトバンクから回線を借りてサービスを提供しています。電波の強さ自体はMNO(大手キャリア)と同じですが、電波改善装置の提供はMNOの権限に属するため、MVNOでは貸し出しを受けられません。「ドコモ回線の格安SIMだからドコモに相談すれば借りられるはず」と思いがちですが、対象外です。

では格安SIMユーザーはどうすればいいのか。現実的な選択肢は3つあります。

1つ目は、光回線とWi-Fiルーターを導入してモバイル回線に依存しない通信環境を作る方法です。光回線を引けば、自宅での通信はWi-Fi経由になるため、モバイル回線の電波状況に左右されなくなります。

2つ目は、デュアルSIMを活用して別キャリアの回線を追加する方法です。今使っている格安SIMはそのままで、電波が届くキャリアのサブ回線をeSIMで追加します。月額数百円程度のプラン(povoの基本料0円など)を選べば、コストを抑えながら電波の弱い場所をカバーできます。

3つ目は、メインの契約を電波が届くMNO(大手キャリア)やサブブランド(UQモバイル、ワイモバイル等)に乗り換える方法です。サブブランドならMNOと同等の電波改善サービスを受けられる場合があり、料金もMVNOに近い水準です。

Amazonの「携帯電波増幅器」を買ってはいけない理由

自宅の電波が悪いとき、Amazonや楽天で「携帯電波増幅器」「携帯ブースター」と検索すると、数千円から数万円で販売されている製品が見つかります。レビュー数が多い製品もあり、つい購入したくなるかもしれません。

しかし、これらの製品を個人が購入・設置すると電波法違反になります。

携帯電話の電波を中継する装置の免許は、携帯電話会社にしか与えられません。個人が設置・運用した場合は「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」、通信を妨害した場合は「5年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金」の対象です(※)。

商品ページに「電波法適用外の製品です」と記載されていることがありますが、総務省は「微弱な電波で携帯電話を中継することはシステム的に不可能」と明言しています(※)。携帯電話の電波を中継する時点で、微弱な電波の範囲には収まらず、違法になるということです。

電波改善装置が必要な場合は、必ず契約しているキャリアの正規窓口に相談してください。正規のレピーターやフェムトセルは機器本体を無料でレンタルできます。

(※)出典:総務省信越総合通信局「携帯電話中継装置(携帯電話レピータ)について」

賃貸で電波が入らない場合の対処法

賃貸で電波が悪い場合は、まずキャリアへの相談とWi-Fi環境の整備を試し、次の引っ越し時には内見で電波チェックをしましょう。

賃貸物件には「工事ができない」「退去時に原状回復が必要」といった特有の制約があります。持ち家と比べて取れる手段が限られるため、賃貸ならではの現実的な方法を整理します。

賃貸でも導入できる電波改善の方法

キャリアが提供するレピーターやフェムトセルは、工事不要で設置できるタイプが多く、賃貸でも利用できます。大手キャリア(MNO)を契約しているなら、まずは電波改善窓口に相談してみてください。

光回線を引く場合は、事前に管理会社や大家への確認が必要です。マンションの共用部まで光ファイバーが来ている物件なら、室内への引き込み工事だけで済む場合もあります。

光回線の工事が難しい場合は、ホームルーター(置くだけWi-Fi)という選択肢もあります。ドコモの「home 5G」やUQ WiMAXなどは、コンセントに挿すだけで使えるため工事が不要です。ただし、モバイル回線をWi-Fiに変換する仕組みのため、そもそもモバイル回線の電波が自宅に届いていない場合は効果が限定的です。

Wi-Fiの電波が特定の部屋に届かない場合は、メッシュWi-Fiの導入も検討してみてください。複数のアクセスポイントを家の中に分散配置し、どの部屋でも均一にWi-Fiが繋がる環境を作れます。配線工事は不要で、賃貸でも手軽に導入できます。

次の引っ越し前にやるべき電波チェック

今の物件で電波に苦労した経験があるなら、次の引っ越し先を選ぶ際には内見時に電波のチェックを忘れないようにしてください。

確認方法はシンプルで、自分のスマホを持って物件内の各部屋(リビング、寝室、キッチン、トイレ、浴室前など)を回り、アンテナの本数を確認するだけです。窓際だけでなく、部屋の中央や奥まった場所でもチェックしましょう。

可能であれば、家族や友人に別キャリアの端末を持ってきてもらい、同時にチェックするとより確実です。あるキャリアは圏外でも、別のキャリアはしっかり繋がるという場所は珍しくありません。

夕方以降の時間帯に内見できると、回線が混雑する時間帯の通信品質も確認できます。「インターネット無料」を謳う賃貸物件は、マンション全体で回線を共有しているため、夜間に速度が大幅に低下するケースがある点にも注意してください。

家のスマホ電波に関するよくある質問

「格安SIMだから電波が悪い」は誤解です。電波の強さはMNOと同じですが、電波改善の手段が異なります。

格安SIMは電波が弱いの?

格安SIM(MVNO)が利用する電波は、ドコモ・au・ソフトバンクの回線そのものです。電波の届く範囲や強さはMNO(大手キャリア)と変わりません。

ただし、電波が悪いときの対処手段に違いがあります。MNOに直接契約していればレピーターやフェムトセルの無料レンタルを相談できますが、MVNOでは対象外です。「電波が弱い」のではなく「電波改善の手段が限られている」が正確な表現です。

レピーターとフェムトセルの違いは?

レピーターは、屋外の電波を受信し増幅して室内に中継する装置です。窓際に設置して使います。フェムトセルは、自宅のインターネット回線に接続して室内に小さな基地局を作る装置です。

どちらも機器本体は無料でレンタルできます。ただし、フェムトセルはキャリアが指定するインターネット回線(auの場合はauひかり等)が前提です。キャリアの窓口に相談すると、自宅の状況に合った方を提案してもらえます。

5Gになれば家の電波は良くなる?

5Gで使われるSub6帯(3.7GHz〜4.5GHz)やミリ波帯(28GHz)は4Gより高い周波数のため、壁や建物を通過しにくい性質があります。「5Gだから屋内も快適になる」とは限りません。

一方、700MHz〜900MHzのプラチナバンドを5Gに転用する動きが各キャリアで進んでいます。プラチナバンドは障害物を回り込む特性があるため、屋内での受信改善が期待できます(※)。

(※)出典:総務省「令和7年度携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査」(2025年3月末データ)

窓を開ければ電波は改善する?

電波は窓から室内に入るため、窓を開けると改善する場合があります。ただし、夏場や冬場に常時窓を開けておくのは現実的ではなく、防犯上の問題もあります。

窓を開けて改善するかどうかは、「原因が建物構造にあるか」を確認するためのテストとして活用してください。改善するなら建物構造が原因と判断でき、レピーターの設置や光回線+Wi-Fiの導入といった根本的な対策に進む判断材料になります。

まとめ

家でスマホの電波が悪いときは、まず「自分だけか家族全員か」「モバイル回線かWi-Fiか」の2つを確認して原因を切り分けてください。原因を特定せずに対処法を試しても、時間とお金が無駄になりかねません。

格安SIMユーザーの場合、電波の強さはMNOと同じですが、レピーター等の無料レンタルは受けられません。デュアルSIMで別キャリアを追加する、光回線+Wi-Fiを導入するなど、MVNO特有の制約を踏まえた対処法を選びましょう。

Amazonなどで売られている「携帯電波増幅器」は、個人が設置すると電波法違反になります。電波改善装置が必要なときは、必ずキャリアの正規窓口に相談してください。

この記事で自分のケースの原因がわかったら、まずは再起動やSIMカードの抜き差しなど、お金のかからない対処法から試してみてください。それでも改善しない場合は、キャリアの電波改善窓口への相談や、デュアルSIMによる回線の追加を検討するのが次のステップです。

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