九州電力の料金プランを紹介!それぞれの違いもわかりやすく解説します
九州電力の料金プラン、選び方に迷っていませんか?
家庭用からビジネス用まで、一見すると複雑に見えるこれらのプランを、わかりやすく比較してみましょう。
この記事では、九州電力の様々なプランの特徴を解説します。
あなたのライフスタイルに合わせて、最適なプランを見つけるためのヒントもご紹介。
また、九州電力と他の新電力との価格比較や、お得な割引サービス「九電グループまとめてあんしん割」についても掘り下げます。
電気料金を選ぶとき、お財布にも環境にもやさしい選択をしましょう。
九州電力の基本情報
九州電力株式会社(Kyushu Electric Power Company, Incorporated)は、福岡県福岡市中央区に本社を置く電力会社。1951年に設立され、電気に加えてガスも供給しています。
九州電力の略称は「九電」で、その本社ビルは地元では「電気ビル」と呼ばれています。
東京証券取引所プライム市場に上場しており、2022年3月期の連結売上高は1兆7433億1000万円、純利益は68億7300万円。九州地域で最も売り上げが高い企業です。
九州電力は、水力、火力、原子力から、地熱、風力発電まで多様な発電事業を行っています。
子会社の「九電みらいエナジー」を通じて、関東地方や福島県、山口県などで電力販売や、太陽光や風力、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギー発電事業を展開しています。
料金プランの種類と特徴
以下の表は、さまざまな電気料金プランの比較を示しています。
プラン名 | 特徴 |
従量電灯B | 標準的なプランで一般家庭向け 定番のプランで、誰にでも合います。 |
従量電灯C | 標準的なプランで商店・事務所等のビジネス向け |
スマートファミリープラン | 家庭向け2年契約を条件として、年間777円の割引あり 少しでも安く済ませたい人に適しています。 |
スマートビジネスプラン | 商店・事務所等のビジネス向けで単価が一律 |
電化でナイト・セレクト | オール電化やエコキュートなどの利用者向け |
JALでんきB | 電気料金に応じてマイルがたまる家庭向けプラン |
JALでんきC | 電気料金に応じてマイルがたまる事業者向けプラン |
従量電灯B:標準的なプラン
「従量電灯B」は、特に使用量が少ないご家庭向けの電気料金プランです。
ほとんどの家庭がこのプランを利用しているでしょう。
- このプランは1年単位の契約を想定しています。
- 料金設定は季節や時間帯に関わらず、電気を使う量に応じて料金が増加します。
単位 | 料金単価(円) | ||
基本料金 | 10アンペア | 1契約 | 316.24 |
15アンペア | 474.36 | ||
20アンペア | 632.48 | ||
30アンペア | 948.72 | ||
40アンペア | 1,264.96 | ||
50アンペア | 1,581.20 | ||
60アンペア | 1,897.44 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 18.37 |
120kWh超過300kWhまで | 23.97 | ||
300kWh超過分 | 26.97 | ||
最低月額料金 | 1契約 | 335.34 |
「電気代をもっと節約したい!」という方は、「家電製品別の電気代を節約する方法!」もご覧ください。
従量電灯C:標準的なプラン(事業者向け)
「従量電灯C」は、商店や飲食店、事務所など、ビジネス用途で広く利用されている電気料金プランです。
たとえば、業務用大型冷蔵庫などを使用している飲食店、商店にも選ばれています。
料金設定は24時間同一の料金。季節や時間帯に関わらず、電気を使う量に応じて料金が増加します。
単位 | 料金単価(円) | ||
基本料金 | 1kVA | 316.24 | |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 18.37 |
120kWh超過300kWhまで | 1kWh | 23.97 | |
300kWh超過分 | 1kWh | 26.97 |
スマートファミリープラン:2年契約で年間777円の割引
九州電力の「スマートファミリープラン」は、家庭向けに設計された電気料金のプランです。
2年間の契約に対して、年間で777円の割引が適用されます。
ただし、2年を満たない期間での解約時には、既に受けた割引分を精算する必要があります。
料金の設定については、季節や時間帯に関わらず、使用した電力量に基づいて段階的に計算されます。
【注意】このプランには、従量電灯Bのプランにある燃料費の調整上限が設定されていません。これは、燃料価格が上昇すると、スマートファミリープランの料金もそれに応じて高くなる可能性があります。
区分 | 単位 | 料金単価 | |
基本料金 | 10アンペア | 1契約 | 316.24 |
15アンペア | 474.36 | ||
20アンペア | 632.48 | ||
30アンペア | 948.72 | ||
40アンペア | 1,264.96 | ||
50アンペア | 1,581.20 | ||
60アンペア | 1,897.44 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 18.37 |
120kWh超過300kWhまで | 23.97 | ||
300kWh超過分 | 25.87 | ||
最低月額料金 | 1契約 | 335.34 | |
2年契約割引(オプション) | 1契約/年 | 777.00 |
スマートビジネスプラン:使用量に関わらず単価が一律
「スマートビジネスプラン」は、電気を多く使用する商店や事務所などのビジネス向け顧客に特化した電気料金プランです。
このプランでは季節、時間帯、使用量に関係なく、一律の料金単価が適用されます。
「従量電灯C」は使用量が増えるにつれて単価が変動しますが、スマートビジネスプランでは使用量に関わらず単価が一律であるという違いがあります。
【注意】燃料費調整額に上限がないため、燃料価格の高騰時には、「スマートビジネスプラン」の料金が、従量電灯Cプランより高くなる可能性があります。
区分 | 単位 | 料金単価(円) |
基本料金 | 1kVA | 316.24 |
電力量料金 | 1kWh | 23.97 |
電化でナイト・セレクト:オール電化、エコキュートの利用者におすすめ
「電化でナイト・セレクト」は、オール電化の家庭や電気給湯機(エコキュートなど)を使用する顧客向けの電気料金プランです。
このプランは特に、夜間や休日に多くの電力を消費する場合にお得で、夜間の電力料金が昼間より割安に設定されています。
このプランでは、顧客が次の3つの夜間時間帯から選択できます:
- 電化でナイト・セレクト21(夜型の生活スタイルに適した21時~翌7時)
- 電化でナイト・セレクト22(標準的な夜間時間帯の22時~翌8時)
- 電化でナイト・セレクト23(朝型の生活スタイルに適した23時~翌9時)
また、平日よりも休日、夏・冬よりも春・秋の方が昼間の電力料金が割安になります。
契約決定方法としては、スマートメーターを用いて30分ごとの使用量を計測し、過去1年間の最大使用量に基づいて契約電力を決定します。
【注意】「従量電灯B」と「従量電灯C」は燃料費調整に上限が設けられており、燃料価格が高騰しても調整額が一定の範囲内に留まります。これに対し、「電化でナイト・セレクト」というプランには燃料費調整の上限がないため、燃料価格が急上昇すると調整額が大きくなる可能性があります。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
基本料金 | 契約電力が10kW以下の場合 | 1契約 | 1,888.80 | |
契約電力が10kWをこえる場合 | 15kWまで | 1契約 | 4,758.20 | |
15kW超過分 | 1kW | 573.88 | ||
電力量料金 | 平日昼間 | 夏冬 | 1kWh | 27.63 |
春秋 | 1kWh | 24.74 | ||
休日昼間 | 夏冬 | 1kWh | 22.01 | |
春秋 | 1kWh | 18.61 | ||
夜間 | 1kWh | 14.59 |
JALでんきB:JALマイルがたまる個人向けプラン
対象: 契約電流が10アンペア以上60アンペア以下の電灯契約を持つお客さま。
料金設定: 電気の使用量に応じて段階的に料金が設定されています。これは、電気を多く使うほど、その分料金が高くなるという意味です。
マイル獲得: 電気料金の支払いに応じて、JALのマイレージプログラムでマイルが貯まります。つまり、電気を使うほど、飛行機のマイルが貯まるというわけです。
区分 | 単位 | 料金単価 | |
基本料金 | 10A・1kVA | 316.24 | |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 18.35 |
120kWh超過300kWhまで | 23.95 | ||
300kWh超過分 | 26.87 | ||
最低月額料金(注)JALでんきBのみ | 1契約 | 334.26 |
JALでんきC:JALマイルがたまる事業者向けプラン
JALでんきCの対象は契約容量が6kVA以上50kVA未満の電灯契約を持つ方です。
料金設定としては、電気の使用量に応じて段階的に料金が設定されています。
JALでんきCも電気料金の支払いに応じてマイルが貯まります。
【注意】「従量電灯B」と「従量電灯C」のプランには、燃料費調整に上限が設けられています。これは、燃料価格が急激に上昇しても、これらのプランの顧客が支払う燃料費調整額がある程度の範囲内に留まることを意味します。
一方で、「JALでんきB」と「JALでんきC」のプランには燃料費調整の上限の設定がなく、燃料価格が高騰すると、これらのプランの燃料費調整額が大幅に増加する可能性があります。
九州電力の支払い方法
九州電力の支払い方法は、生活スタイルや好みに合わせて、いくつかの便利な選択肢を用意しています。
それぞれの方法には、次のような特徴があります。
口座振替 – 電気料金を銀行口座から自動的に支払う方法です。面倒な支払い手続きを省き、時間を節約できます。
クレジットカード支払い – 毎月クレジットカードから自動で支払います。カードの支払いによりクレジットカードでのポイントが貯まります。
SMS決済 – スマホを使って、メッセージを通じて支払いができます。クレジットカード、PayPay、コンビニエンスストアで支払えます。フィーチャーフォンや固定電話では利用できません。
振込用紙による支払い – 九州電力から届く振込用紙を使って、指定された窓口(銀行やコンビニなど)で支払います。
これらの支払い方法は、ウェブサイト上で簡単に申し込みができるようになっています。
九州電力と新電力はどっちが安い?
九州電力と新電力のどちらが安いかは、一般の消費者の利用状況や追加サービスの活用によって異なります。
2016年の電力自由化以降、多くの新電力(ENEOSでんきや西部ガスのプラスでんきプラン1など)が誕生し、競争が激化しました。
これらの新電力は、九州電力の基本プラン(従量電灯B)よりも安価なプランを提供することが多いですが、割引幅はそれぞれ異なります。
一部の新電力では、九州電力との価格差が1%程度という場合もあり、この差額のために手続きを行う価値があるかはそれぞれの消費者にゆだねられています。
例として、九州電力とENEOSでんきの比較を見ると、基本料金の差は0.9円です。
ただし、ENEOSでんきではガソリン代の割引などの他のメリットが得られることもあります。
一方、九州電力は「九電グループまとめてあんしん割」というサービスを提供(次の章で解説)しており、携帯電話サービス、インターネット回線、ガス料金の割引が受けられます。
このような割引は、電気代単体ではなく、他のサービスを含めた通信費などを含めたトータルコストの削減につながります。
「九州電力と西部ガスの料金比較」の記事、「九州電力とENEOSでんきの料金比較」もあわせてご覧ください。
九電グループまとめてあんしん割
九州電力の「九電グループまとめてあんしん割」は、複数のサービスを利用することで受けられる割引サービスです。
異なるサービスへの加入で、それぞれのサービス料金から割引が適用。
具体的には、
- QTモバイル(スマホサービス)では月額110円の割引、
- BBIQ(インターネットサービス)では月額880円(BBIQつづけて割の550円も含む)の割引
- きゅうでんガス(ガスサービス)では月額600円の割引
複数のサービスを組み合わせることで、月々の支払いがお得になります。
九電グループまとめてあんしん割の適用条件などは「九電グループまとめてあんしん割はいくらお得?適用条件も解説」もご覧ください。
生活コストを抑える上で非常に役立つでしょう。
まとめ
九州電力の料金プランを比較する際、料金や条件などを確認する必要があります。
家庭用からビジネス用まで、九州電力は多様なニーズに応えるオプションを提供しています。
重要なのは、ただ安いプランを選ぶだけでなく、あなたのライフスタイルに合ったプランを選ぶことです。
また、九電グループまとめてあんしん割のような割引サービスを利用することで、さらに経済的なメリットを受けることもできます。